生と死の狭間で

生まれてきた以上は死んでいくのが必然ではあるのですが
それでもあえて永遠を求めたがるのが人間の愚かしくも愛らしい性のように思います。
でもそのことが、死にたくないと思うことが、つまり生きることのエネルギーの源であるとともに
陰と陽とでも言うべきか、うまくできてる理のような気がします。
NHKで放映されているサイエンスZEROという番組で、生化学者の田沼靖一さんが
かつて生物は単体で増殖し、ある意味永遠の命を持った存在だったが
性別を作り、多様性を持ち、死という生命の新陳代謝、いわば生命の活力を維持するシステムを手に入れた。
というようなことを言っておられたのを聞いて、ちょっとだけ死というものを見直すことができました。
もちろん恐怖は在る訳ですが、死というものにはっきりとした意味があることが判ったというか
死ぬことは全くの無意味ではないということを初めて実感できた瞬間でした。
私たちは、太古の昔より、大絶滅を繰り返してきました。
その記憶のようなものが、私たちの中に残っていて、それが、進化と淘汰を、生きることへの欲求を
生み出しているのかもしれません。
そういう風に考えていくと、人類はこの地球上の生命圏に対する責任として、宇宙への進出と
地球外への生存圏の拡大による、大量絶滅のリスクの軽減に努めなければいけないのかもしれません。
これからやまだも死を受け入れる準備を整えていく訳ですが、できるならば軌道エレベーターの建設を
見届けてから逝きたいものです。
技術的には問題ないところまで来ているという話も聞きますので、生命の次の一歩を目撃できたらなー
と思う次第です。