午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン

午前零時のサンドリヨン 相沢沙呼

表紙がきれいな女の子だったのと、文体がしっとりしてたので買ってみました。
途中まで読んで、伏線の生かし方が丁寧でいいなーと思っていたら、途中から摘み残し
とかが出てきて、あうう、投げっぱなしジャーマンは止めてねーとビクビクして読み進んだら
しっかり回収してあって安心しました。
というか、メインのお話を水面下で動かしながら、平行して小さな事件を解決していく形でした。
また最初はきれい事すぎた一つ一つの事件の解決についても、これは買ったの失敗だったかなーと
正直思いましたが、それが話が進む毎に複合していく形でうまく昇華されていって
とても気持ちよかったです♪
登場人物達か、なかなか不完全というか、思春期の少年少女らしいウダウダな感じですが
自分の学生時代もこんなだったよなーという意味で、よいリアリティがあり
また、そういう登場人物だからこそ、解決に向けての明快な動機につながっていく感じはよかったです。
明快なキャラクターを持った主人公を作るよりも、こういうウダウダとしたキャラクターを登場させて
物語を停滞&ウザくならないように進行させていく方がより難しいのではないでしょうか?
そういうバランス感覚は素晴らしいと思います。
それが「きれいにまとまり過ぎ感」につながった部分もあると思いますが、個人的には「氷菓」より
完成していて「氷菓」より威力がないといった感じです。
もっとも、やまだの中では「氷菓」という作品は別格扱いなのですが(^_^;
推理小説の基本をしっかり押さえた、ギミックと構成のしっかりした青春小説といった風情。
続編出して頂けたら買います(^_^)